スマホゲームをパソコンで配信したいけれど、何から始めたらいいのか分からなくて困っていませんか?
スマホ単体での配信は手軽ですが、パソコンを使えば画質も音質も劇的に良くなりますし、何よりOBSを使った自由な画面作りができるのが大きな魅力ですよね。
私も最初は「ケーブルは何が必要なの?」「OBSの設定が難しそう」と不安でいっぱいでした。
でも、正しい手順と機材さえ揃えてしまえば、誰でもプロのような配信環境を作ることができるんです。
この記事では、初心者の方でも迷わずに環境構築ができるよう、私の経験を元に分かりやすく解説していきます。
スマホゲームをパソコンで配信するやり方と必要機材
スマホのゲーム画面をPCに取り込み、視聴者に届けるためのルートは一つではありません。
予算をかけずにソフトウェアだけで完結させる方法から、プロゲーマーのように専用のハードウェアを用いて最高画質を追求する方法まで、実はいくつかの選択肢が存在します。
ここでは、それぞれの方法が持つメリットとデメリット、そして具体的にどのような機材やツールが必要になるのかを、初心者の方にも分かりやすく噛み砕いて解説していきます。
自分のプレイスタイルや予算感に合った最適な方法を見つけるための第一歩として、まずは全体像を把握していきましょう。
- キャプチャーボードなしで無料配信する方法
- ミラーリングソフトを使って画面を映す
- iPhone配信で必須の純正アダプタ
- Android配信はUSB設定を確認する
- 低遅延を重視するなら有線接続を選ぶ
キャプチャーボードなしで無料配信する方法

「これから配信を始めたいけど、いきなり数万円もする機材を買うのは勇気がいる…」そんなふうに思っている方は多いのではないでしょうか?
実は私もそうでした。
そんな方にまず試してほしいのが、キャプチャーボードを使わずに配信する方法です。
この方法の基本的な仕組みは、スマートフォンの映像データを、Wi-FiネットワークやUSBケーブルを経由してパソコンに送り込むというものです。
パソコン側には「ミラーリングソフト」と呼ばれる受信用のアプリをインストールしておき、スマホから送られてきた映像をPCの画面上に表示させます。
そして、その表示された画面を配信ソフトである「OBS Studio」の「ウィンドウキャプチャ」機能や「画面キャプチャ」機能を使って取り込み、YouTubeやTwitchへと配信するのです。
最大のメリットは、何と言っても初期費用がほとんどかからないことです。
必要なのは現在お持ちのスマホとパソコン、そして充電用のケーブルやWi-Fi環境だけ。
専用の機材を購入する必要がないため、今日からすぐにでもテスト配信を始めることができます。
「まずは配信というものがどんなものか体験してみたい」「画質よりも手軽さを優先したい」というエントリーユーザーには、まさにうってつけの方法と言えるでしょう。
しかし、デメリットも理解しておく必要があります。映像データを圧縮して転送するため、どうしても画質が劣化したり、ブロックノイズ(画面がモザイク状に乱れる現象)が発生しやすくなります。
また、操作してからPC画面に反映されるまでにコンマ数秒から1秒程度の遅延(ラグ)が発生することも珍しくありません。
RPGやシミュレーションゲームなら問題ありませんが、一瞬の判断が生死を分けるFPSや、タイミングが命の音ゲーには不向きな場合があります。
それでも、配信の楽しさを知るための入り口としては非常に優秀な選択肢ですので、まずはここからスタートしてみることを強くおすすめします。
ミラーリングソフトを使って画面を映す
キャプチャーボードなしで配信する場合、主役となるのが「ミラーリングソフト」です。
これはスマホの画面をPC上に複製(ミラーリング)するためのアプリケーションで、現在では多くの種類がリリースされています。
代表的なものとして「ApowerMirror」や「LetsView」などが挙げられますが、それぞれに特徴やクセがあるため、自分の環境に合ったものを選ぶことが大切です。
まず、接続方法には大きく分けて「Wi-Fi接続」と「USB接続」の2種類があります。
接続方法による違いと特徴
- Wi-Fi接続(無線):
ケーブルが不要なので、スマホを持ったまま自由に動けるのが利点です。ただし、電子レンジの使用や家族のネット利用など、周囲の電波状況の影響を受けやすく、映像がカクついたり途切れたりすることがあります。安定させるためには、5GHz帯のWi-Fiを使用することが推奨されます。 - USB接続(有線):
充電ケーブルを使ってPCと直接繋ぐ方法です。無線に比べて圧倒的に通信が安定しており、遅延も比較的少なくなります。配信を行うなら、基本的にはこちらのUSB接続に対応したソフトを選ぶのが無難です。
具体的なソフトの選び方ですが、「ApowerMirror」は非常に多機能で画質も綺麗なのですが、無料版だと画面に透かし(ロゴマーク)が入ったり、連続使用時間に制限があったりします。
「お試しで使う分にはいいけど、本格的に配信するなら有料版が必要かな」というのが正直な感想です。
一方、「LetsView」は基本的に無料で使用できるのが最大の魅力です。
インターフェースもシンプルで使いやすいですが、画質やフレームレートの面では有料ソフトに一歩及ばないこともあります。
また、PCとスマホが同じWi-Fiネットワーク内にある必要があるなど、ネットワーク構成に依存する部分も大きいです。
これらのソフトを導入する際は、PC版とスマホ版の両方のアプリをインストールする必要があります。
インストール後は、画面の指示に従って接続するだけなので、そこまで難しい操作は必要ありません。
まずは無料のLetsViewで試してみて、画質に不満があればApowerMirrorの有料版や、後述するキャプチャーボードの導入を検討するというステップアップが、最も無駄のないルートだと思います。
iPhone配信で必須の純正アダプタ

ここからは、より高画質で安定した配信を目指す方向けに、ハードウェアを使った接続方法について深掘りしていきます。
まずiPhoneやiPadなどのiOSデバイスをお使いの方にとって、避けて通れないのが「変換アダプタ」の問題です。
iPhoneのLightning端子(またはUSB-C端子)から映像をHDMIケーブルに出力するためには、変換アダプタが必要です。
Amazonなどで検索すると、1,000円〜2,000円程度の安価なサードパーティ製アダプタがたくさん出てきますよね。
「純正品は高いから、これでいいや」とポチりたくなる気持ち、痛いほど分かります。
でも、ここは声を大にして言わせてください。配信に使うなら、絶対にApple純正のアダプタを選んでください。
なぜここまで強く純正品を推すのか、それには明確な理由があります。
非純正アダプタをおすすめしない理由
- HDCPのトラブル: iPhoneからの映像信号には著作権保護技術(HDCP)が含まれています。安価なアダプタはこの信号処理が不完全なことが多く、キャプチャーボードに繋いでも「No Signal」と表示されて何も映らないケースが多発します。
- OSアップデートでの排除: iOSのアップデートにより、非純正アクセサリが突然使用できなくなることがあります。配信当日に突然使えなくなったら目も当てられません。
- 給電不足と発熱: 配信中はスマホへの給電も同時に行う必要がありますが、非純正品は給電が不安定だったり、アダプタ自体が異常に発熱して映像が止まることがあります。
具体的に購入すべき製品は、以下の通りです。
| デバイスの端子 | 必須アダプタ名称 | 備考 |
|---|---|---|
| Lightning | Apple Lightning – Digital AVアダプタ | 必ず給電用ポートがついているモデルを選びましょう。 |
| USB-C | Apple USB-C Digital AV Multiportアダプタ | モデルA2119は4K/60Hzに対応しており高品質です。 |
純正アダプタは約6,000円〜9,000円と決して安くはありませんが、これは「配信の安定性」を買うための必要経費です。
途中で映像が切れて視聴者を失望させるリスクを考えれば、結果的に最もコストパフォーマンスの良い投資になります。
Android配信はUSB設定を確認する
次にAndroidユーザーの場合ですが、iPhoneとは全く異なる事情があります。
Android端末のUSB-C端子からHDMI映像を出力するためには、その端末が「DisplayPort Alt Mode(オルタネートモード)」という規格に対応している必要があります。
ここが最大の落とし穴なのですが、全てのAndroidスマホがこの機能を持っているわけではありません。
例えば、Xperia 1 / 5シリーズやGalaxy Sシリーズ、AQUOS Rシリーズなどのハイエンドモデルは概ね対応していますが、Pixelシリーズ(Pixel 7以前など)や、コスパ重視のミドルレンジモデルの多くは、このDisplayPort Alt Modeに対応していないのです。
つまり、いくら高いケーブルやキャプチャーボードを買っても、端末が非対応ならHDMI出力は物理的に不可能ということになります。
「じゃあ私のスマホでは配信できないの?」と諦めるのはまだ早いです。
Androidには、開発者向けの機能である「USBデバッグ」を利用した強力な裏技があります。
それが、「Scrcpy(スクリーンコピー)」などのPCツールを活用する方法です。
最強の無料ツール「Scrcpy」とは
Scrcpyは、PCとAndroidをUSBケーブルで接続し、画面と音声を超低遅延でPCに転送できるオープンソースのツールです。これを使うメリットは計り知れません。
- 完全無料・広告なし: 商用ソフトのようなロゴの透かしや時間制限が一切ありません。
- 超低遅延: 設定次第で遅延を30ms〜70ms程度まで抑えることができ、アクションゲームも快適にプレイ可能です。
- 高画質: ビットレートや解像度を細かくコマンドで指定でき、フルHD以上の画質で転送できます。
- 音声転送対応: Android 11以降の端末であれば、追加のケーブルなしでゲーム音もデジタル転送できます。
導入には、スマホの設定で「ビルド番号」を7回タップして「開発者向けオプション」を表示させ、その中の「USBデバッグ」をONにする作業が必要です。
また、PC側でもコマンドプロンプトを触るなど少し専門的な知識が必要になりますが、HDMI出力非対応のスマホを使っている配信者にとっては、まさに救世主と言えるツールです。
これを使いこなせれば、機材費ゼロでプロ級の環境が手に入ります。
低遅延を重視するなら有線接続を選ぶ

ゲーム配信において、配信者自身が最も気にすべきは「遅延(レイテンシ)」です。
視聴者に見えている映像が数秒遅れるのはコミュニケーション上のラグとして許容できる場合もありますが、プレイしている自分の操作と画面の反応がズレることだけは絶対に避けなければなりません。
Wi-Fiを使ったミラーリング配信では、ネットワークの混雑状況によって突然画質が落ちたり、ひどい時には数秒間の遅延が発生したりします。
RPGなら「あれ、コマンド入力遅れたかな?」程度で済みますが、FPSで敵に照準を合わせる瞬間や、音ゲーでパーフェクトを狙う瞬間にこのラグが起きると、プレイそのものが崩壊してしまいます。
これでは良い配信どころか、ストレスでゲームが楽しめなくなってしまいますよね。
そのため、私が初心者の皆さんに強くおすすめしたいのは、どのような方法であれ「有線接続」をベースにした環境構築です。
理想的な接続構成(パススルー機能の活用)
キャプチャーボードを使用する場合、多くの製品には「パススルー出力」という機能がついています。
これは、スマホから来た映像をPCに送ると同時に、遅延ゼロで別のモニター(テレビなど)にも出力する機能です。
- スマホ → キャプチャーボード → パススルー出力 → プレイ用モニター(遅延ゼロ)
- スマホ → キャプチャーボード → USB転送 → OBS画面(わずかな遅延あり)
この構成にすれば、あなたは遅延のないモニターを見ながら快適にプレイでき、OBS側には高画質な映像が送られるという、完璧な分業体制が整います。
Wi-Fi接続は手軽ですが、あくまで「雑談メインのサブ配信」や「動きの少ないゲーム」用と考え、本気でゲーム実況をするなら、HDMIケーブルや高品質なUSBケーブルによる物理的な接続への投資を惜しまないでください。
その安定感が、配信者としての自信にも繋がってくるはずです。
スマホゲームをパソコンで配信するためのOBS設定
機材の接続が完了し、PCにスマホの画面が映るようになったら、次はいよいよ配信ソフトのデファクトスタンダードである「OBS Studio」の設定を行いましょう。
OBSは非常に多機能ですが、その分設定項目も多く、適当に設定してしまうと「画質が悪い」「カクカクする」といったトラブルの原因になります。
ここでは、スマホゲーム配信において最もバランスが良く、多くの視聴者に高画質で届けるための「黄金設定」を紹介します。
専門用語も少し出てきますが、一つずつ意味を理解しながら設定していけば、決して難しくはありません。
私の設定値をそのまま真似するだけでも十分効果がありますので、ぜひPC画面を開きながら一緒に進めていきましょう。(出典:OBS Project公式サイト)
- OBSの高画質設定と推奨ビットレート
- Discord通話とゲーム音を入れる方法
- 音ズレや画面が映らないトラブルの対策
- 配信に必要なPCスペックと推奨環境
- おすすめのキャプチャーボード比較
- スマホゲームをパソコンで配信する手順のまとめ
OBSの高画質設定と推奨ビットレート

スマホゲーム、特に最近の原神や崩壊:スターレイル、あるいはFPSのような動きの激しいタイトルの魅力を余すことなく伝えるなら、配信画質の目標は「解像度1920×1080(1080p)」かつ「フレームレート60fps」に設定するのが基本です。
30fpsだとどうしてもカクつきが目立ち、視聴者に「古い映像」という印象を与えてしまいます。
OBSの設定画面を開き、「出力」タブの「出力モード」を「詳細」に切り替えて、以下の設定値を参考に調整してみてください。
| 設定項目 | 推奨値 | 詳細解説 |
|---|---|---|
| エンコーダ | NVIDIA NVENC H.264 | GeForce搭載PCなら必須の設定です。CPU(x264)ではなくGPUで処理することで、PC全体の動作が劇的に軽くなります。 |
| レート制御 | CBR (固定ビットレート) | 配信のデータ量を一定に保ちます。VBR(可変)だと動きが激しい場面で画質が乱れる原因になります。 |
| ビットレート | 4500 Kbps 〜 6000 Kbps | YouTube Liveなら6000Kbps以上も可能ですが、視聴者の回線環境も考慮すると6000Kbpsが安定のラインです。 |
| キーフレーム間隔 | 2秒 | 多くの配信プラットフォームで推奨されている値です。「0(自動)」にせず、必ず「2」と手入力してください。 |
| プリセット | P5: Slow (良画質) | 画質と負荷のバランスが良い設定です。PCスペックに余裕があればP6を選んでもOKです。 |
特に重要なのがビットレートです。
これは「1秒間に送るデータ量」のことで、数値が高いほど画質は良くなりますが、インターネット回線への負荷も大きくなります。
もし自宅のネット回線の上り速度(アップロード速度)が遅い場合、6000Kbpsに設定すると配信が止まってしまうことがあります。
スピードテストサイトなどで上り速度を計測し、その数値の「7〜8割程度」を上限にするのが安全です。
例えば、上りが10Mbpsしか出ない場合は、余裕を持って4500Kbps〜5000Kbps程度に抑えるのが賢明ですね。
画質も大事ですが、「止まらないこと」が配信においては何より重要ですから。
Discord通話とゲーム音を入れる方法

友人とのコラボ配信や、マルチプレイの連携プレイを見せる際、Discordのボイスチャット音声を入れるのは必須テクニックですよね。
しかし、スマホ配信において「通話音」と「ゲーム音」の共存は、実は初心者が最もつまづきやすい難所の一つです。
なぜスマホだけで通話してはいけないのか
スマホにHDMIケーブルや変換アダプタを接続すると、AndroidなどのOSの仕様上、音声の入出力がすべてHDMI側に強制的に切り替わってしまうことがあります。
その結果、以下のようなトラブルが発生します。
- スマホのマイクが無効になり、通話相手に自分の声が届かない。
- 通話相手の声は聞こえるが、それがHDMIに乗らず配信に流れない。
- ゲーム内のボイスチャット機能を使うと、ゲーム音がモノラルになったり音質が極端に劣化する。
正解は「通話環境をPCに分離する」こと
これらの問題を一発で解決する最もスマートな方法は、「ゲームはスマホ、通話はPC」と役割を完全に分けることです。
具体的な配線と設定の流れは以下のようになります。
PCで通話する場合の構成図
- スマホ: ゲームプレイと映像出力に専念させます。HDMIケーブルで映像とゲーム音をキャプチャーボードへ送ります。
- PC: PC版のDiscordを立ち上げ、PCに接続したマイクとヘッドホンで友人と会話します。
- OBS: 音声ミキサー設定で以下の2つを有効にします。
- 映像キャプチャデバイス: ここから「スマホのゲーム音」が入ります。
- デスクトップ音声: ここから「Discordの相手の声」が入ります。
- マイク音声: ここから「自分の声」が入ります。
この構成の素晴らしい点は、OBS上でそれぞれの音量を個別に調整できることです。
「ゲーム音がうるさくて声が聞こえない」と言われたらゲーム音のフェーダーだけを下げればいいですし、「相手の声が小さい」ならデスクトップ音声を上げるだけで済みます。
もし、どうしてもスマホ単体で通話も完結させたい場合は、アナログのオーディオミキサー(Yamaha AG03など)と大量のケーブルを用意して複雑な配線をする必要がありますが、ノイズが乗りやすく設定も難解なため、初心者の方にはPCでの通話を強くおすすめします。
音ズレや画面が映らないトラブルの対策
配信準備を万端にして「いざ開始!」と思った瞬間に起きるトラブルほど、心を折るものはありません。
ここでは、スマホゲーム配信で頻発する2大トラブルの原因と対策を徹底解説します。
徐々に音がズレていく「サンプリングレート不一致」問題
配信を開始して数十分経つと、「あれ?銃を撃った音と映像がズレてる?」と感じることはありませんか?
これは多くの場合、PCとOBSの間で「サンプリングレート」の設定が食い違っていることが原因です。
デジタル音声には「44.1kHz」と「48kHz」という2つの主要な規格があります。
例えば、PCのサウンド設定が48kHzになっているのに、OBSの設定が44.1kHzになっていると、処理のタイミングが微妙にズレていき、時間が経つほどそのズレが大きくなっていくのです。
対策:
- OBSの「設定」→「音声」→「サンプリングレート」を48kHzに設定する。
- PCの「サウンドコントロールパネル」→使用しているデバイスのプロパティ→「詳細」タブ→既定の形式を48000Hz(48kHz)に合わせる。
これらを全て48kHzで統一することで、ほとんどの音ズレ問題は解消します。
キャプチャーボードに映像が映らない「HDCP」の壁
iPhoneやiPadをキャプチャーボードに繋いだのに、画面が真っ暗(ブラックアウト)なまま、あるいは「Copy Protected」という文字が出る場合、犯人は十中八九「HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)」です。
HDCPは著作権保護された映像をコピーさせないためのガード機能ですが、iOSデバイスはホーム画面やゲーム画面であっても、常にこのHDCP信号を出力する仕様になっています。
キャプチャーボードの多くは、コンプライアンス遵守のためにHDCP信号を検知すると映像入力を遮断するように作られています。
対策:
- キャプチャーボードの専用ツールで設定変更: AVerMediaなどの一部製品では、付属ソフト側で「HDCP検出機能をOFFにする」という設定項目が用意されています(※iOS機器接続時のみ有効)。まずはこれを確認しましょう。
- HDMIスプリッター(分配器)の活用: 上記の設定がない場合、HDMIスプリッターを間に挟むことで映像が映るようになるケースがあります。これはスプリッターがディスプレイとして認識され、HDCPの認証を代行してくれるためです。ただし、全ての製品ができるわけではなく、安価なものや古い規格のものでは効果がない場合もあるため、レビューなどをよく確認して選定する必要があります。
配信に必要なPCスペックと推奨環境

「スマホゲームの配信なんて、スマホが処理してるんだからPCは低スペックでもいいでしょ?」と思っていませんか?
それは半分正解で、半分間違いです。
確かにPCゲームを配信するよりは負荷が軽いですが、高画質な映像をリアルタイムでエンコード(圧縮)してネットに送る作業は、PCにとってかなりの重労働なんです。
快適な配信環境、つまり「カクつかない」「PCが唸らない」「他の作業も同時にできる」環境を目指すなら、以下のスペックを目安にPCを選んでみてください。
推奨スペック(1080p/60fps配信を安定させるライン)
- CPU: Intel Core i5-12400 または AMD Ryzen 5 5600 以上
(マルチタスクに強い6コア以上のCPUが理想的です) - メモリ: 16GB 以上(必須レベル)
(8GBだと、OBSとブラウザ、Discord、コメントビューアを同時起動するとメモリ不足で動作が重くなります) - GPU (グラフィックボード): NVIDIA GeForce GTX 1660 Super または RTX 3060 以上
(ここが一番重要です!後述します) - ストレージ: NVMe SSD 500GB 以上
(録画も同時に行う場合、HDDでは書き込み速度が追いつかずコマ落ちする可能性があります)
なぜGPU(グラボ)が重要なのか
配信PCにおいて最も重要なパーツは、CPUではなくGPU(グラフィックボード)です。
特にNVIDIA製のGeForceシリーズに搭載されている「NVENC(エヌベンク)」というハードウェアエンコード機能が極めて優秀だからです。
通常、映像の圧縮処理はCPUが行いますが、これだとCPU使用率が100%近くまで跳ね上がり、PC全体の動作が重くなってしまいます。
しかし、OBSの設定でエンコーダを「NVENC」に指定すると、この重い処理をGPUの専用チップが肩代わりしてくれます。
その結果、CPU使用率はわずか数%〜10%程度に収まり、配信しながらブラウザで調べ物をしたり、YouTubeで自分の配信を確認したりしても全く重くなりません。
これからPCを用意するなら、「GeForce搭載」だけは絶対に妥協しないでくださいね。
おすすめのキャプチャーボード比較
世の中には数千円の中華製キャプチャーボードから数万円のプロ用機材まで溢れていますが、「安物買いの銭失い」になりやすいジャンルNo.1がキャプチャーボードです。
安い製品は「色が変」「遅延がひどい」「すぐ壊れる」といったトラブルの温床です。
ここでは、私が実際に使用し、自信を持っておすすめできる「間違いない」2機種を厳選して紹介します。
1. Elgato HD60 X(鉄板の安定性)
配信者界隈で「これを選んでおけば間違いない」と言われる王道モデルです。
- 特徴: 外付け型でUSB接続が簡単。VRR(可変リフレッシュレート)パススルーに対応しており、PCゲームやPS5の配信にも流用できる将来性の高さが魅力です。
- メリット: ソフトウェアの安定性が抜群で、OBSとの相性も最高。遅延も極小で、パススルー機能を使えば遅延ゼロでプレイ可能です。
- こんな人におすすめ: トラブルに時間を取られたくない、初心者から上級者まで全ての人。
2. AVerMedia Live Gamer Ultra GC553(高画質と冷却性能)
台湾の有名メーカーAVerMediaのハイエンドモデルです。
- 特徴: 4K/30fpsの録画や、1080p/120fpsの高フレームレート録画に対応。本体に冷却ファンを内蔵しており、長時間の配信でも熱暴走しにくい設計になっています。
- メリット: 色の再現性が非常に高く、スマホゲームの鮮やかなグラフィックをそのまま視聴者に届けられます。Macとの互換性が高いのもポイント。
- こんな人におすすめ: 画質にこだわりたい人、夏場の長時間配信が心配な人。
激安キャプチャーボードのリスク
Amazonなどで見かける2,000円〜3,000円程度の「HDMI Video Capture」と書かれたUSBスティック型の製品は、おすすめしません。
これらは「Motion JPEG」という画質の悪い圧縮方式を使っていることが多く、動きの激しいゲームではブロックノイズだらけになります。
また、音声がモノラル入力しかできないものも多く、ゲームの臨場感が損なわれます。
長く続ける趣味にするなら、最低でも15,000円〜20,000円クラスのメーカー製品を選びましょう。
スマホゲームをパソコンで配信する手順のまとめ

ここまで、スマホゲームをPCで配信するための技術的な側面を深掘りしてきました。
情報量が多くて少し頭がパンクしそうになっているかもしれませんが、要点を整理すればシンプルです。
- まずはコストゼロの「ミラーリングソフト」や「Scrcpy」でPC配信の感覚を掴んでみる。
- 画質と安定性を追求する段階になったら、迷わず「純正アダプタ」と「信頼できるキャプチャーボード」に投資する。
- 配信PCは「GeForce搭載」を選び、OBSの設定で「NVENC」を活用して負荷を下げる。
- 音声周りのトラブルを防ぐために、サンプリングレートを48kHzに統一し、通話はPCのDiscordで行う。
これらの環境を一度構築してしまえば、あとはOBSの「配信開始」ボタンを押すだけで、いつでも高品質なライブ配信ができるようになります。
スマホ単体では実現できない、こだわりの画面レイアウトや高音質な実況で、あなたのゲームプレイを世界中の視聴者に届けてください。
最初は小さなトラブルもあるかもしれませんが、それを乗り越えた先には、きっと素晴らしい配信ライフが待っていますよ!

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