ニンテンドーDSのヒューズ故障?電源が入らない症状と交換修理の方法

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久しぶりに遊ぼうと思って押し入れから引っ張り出したニンテンドーDSやDSLiteが、うんともすんとも言わなくて焦った経験はありませんか。

特に初代DSの電源ボタンを押しても反応がなかったり、充電ケーブルを挿してもオレンジのランプがつかないと、もう壊れてしまったのかと諦めそうになりますよね。

実はその「電源が入らない」や「起動しない」という症状、バッテリーの劣化だけでなく、内部にある小さな「ヒューズ」が切れていることが原因かもしれません。

WEBで検索してみると「DS 電源入らない 青ランプはつく」といった症状や、「初代DS 充電できない」といったトラブル、さらには「DSLite ヒューズ」の場所や交換方法についての情報が見つかりますが、専門的すぎて難しそうと感じることも多いはずです。

また、意外と見落としがちな正しい「電源の付け方」や確認事項もあったりします。

この記事では、電子工作に興味がある私が調べた情報を基に、DSシリーズのヒューズ故障に関する診断方法から修理のヒントまでを分かりやすくまとめてみました。

記事のポイント
  • 電源が入らないDSの症状からヒューズ切れかどうかを判断するポイント
  • 初代DSやDSLiteなどモデルごとのヒューズの場所と役割
  • 一瞬だけランプがつく現象や充電できないトラブルの原因切り分け
  • 修理に必要な交換パーツの選び方とやってはいけない危険な処置


ニンテンドーDSのヒューズ故障の症状と診断

「あれ、電源が入らない?」と思ったとき、いきなり分解するのはちょっと待ってください。

まずはDSがどのような反応を示しているか、LEDランプの光り方や消え方をじっくり観察することで、不具合の原因がある程度絞り込めるんです。

ここでは、モデルごとの特徴やよくある症状パターンをもとに、ヒューズ故障の可能性を探っていきましょう。

  • 基本的なDS電源の付け方と確認
  • ニンテンドーDSが起動しない主な原因
  • 初代DSの電源ボタンの故障リスク
  • 初代DSの電源が入らない時のチェック点
  • DSの電源入らない青ランプはつく原因
  • 初代DSが充電できないトラブルの診断


基本的なDS電源の付け方と確認

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まずは基本中の基本ですが、電源の入れ方が正しいか、そしてスイッチ自体が物理的に壊れていないかを確認しましょう。

そんなの当たり前だと思うかもしれませんが、久しぶりに古いハードウェアに触れると、モデルごとの操作の違いに戸惑うことは意外と多いものです。

ニンテンドーDSシリーズは、モデルによって電源スイッチの形状や操作方法が大きく異なります。

初代DS(NTR-001)はキーボードの上にあるような「プッシュ式ボタン」ですが、DSLite(USG-001)では本体側面の「スライド式スイッチ」に変更されました。さらにDSi以降ではまたボタン式に戻っています。

「久しぶりに触ったらLiteなのにボタンを探してしまった」とか、「スライドさせるのを忘れて一生懸命押し込んでいた」なんてことは、レトロゲームあるあるですね。

チェックポイント

  • バッテリーが正しく装着されているか(フタを開けて端子の腐食なども確認)
  • 電源スイッチを操作したとき、指先に「カチッ」という明確なクリック感があるか
  • スライド式の場合、バネの力で元の位置に戻る感触があるか

特にDSLiteに採用されているスライド式スイッチは、経年劣化で内部に汚れやホコリが溜まりやすく、接触不良を起こしているケースが非常に多いです。

「スイッチの手応えはあるのに電源が入らない」という場合、内部の接点が酸化被膜で覆われているだけの可能性があります。

この場合、分解修理をする前に、電源スイッチを数十回ほどカチャカチャと素早く繰り返し動かしてみてください。

これだけで接点の汚れが研磨されて通電し、嘘のように復活することがあります。

ヒューズ切れを疑う前の「準備運動」として、まずはこのスイッチの動作確認を徹底して行ってみてください。

ニンテンドーDSが起動しない主な原因

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電源スイッチを何度カチャカチャしても、クリック感は正常なのに起動しない。

こうなると、いよいよ内部的なトラブルを疑う必要があります。原因は大きく分けて3つ考えられます。

一つ目はバッテリーの寿命や不具合です。

ニンテンドーDSシリーズに使用されているリチウムイオンバッテリーは、長期間充電せずに放置すると「過放電」という状態になり、二度と充電できなくなることがあります。

また、バッテリーパック自体が劣化してパンパンに膨らんでいる場合も危険です。

これはヒューズ以前の問題として、まずは新しいバッテリーを入れてみることで切り分けが可能です。

二つ目は液晶画面や内部ケーブルの破損です。

特にDSは折りたたみ式という構造上、ヒンジ(蝶番)部分を通っているフレキシブルケーブルが断線しやすいという弱点があります。

これが切れると、電源を入れても起動シーケンスが完了せず、すぐに電源が落ちてしまいます。

そして三つ目が、今回最も注目している「ヒューズの溶断」です。

ヒューズとは、回路に異常な電流が流れたときに、その身を犠牲にして溶けることで回路を遮断する電子部品です。

DSのメイン基板には、CPUやメモリ、電源管理ICといった非常にデリケートな半導体が載っています。

もし充電器の故障やポートのショートなどで過大な電流が流れ込んだら、これらの重要なチップが一瞬で焼き切れてしまいます。

そうならないために、ヒューズは門番として配置されています。

つまり、ヒューズが切れているということは、「過去に何らかの深刻なトラブル(充電器の不具合、水濡れ、落下によるショートなど)があった」という証拠でもあります。

ただ切れたものを交換すれば良いというわけではなく、「なぜ切れたのか」という原因まで思いを巡らせることが、修理成功への第一歩となります。

初代DSの電源ボタンの故障リスク

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初代DS(通称:旧DS、DS Phat)において特有の問題として挙げられるのが、電源ボタン自体の物理的な破損や経年劣化です。

このモデルの電源ボタンは、テレビのリモコンなどと同じ「導電性ゴム」と基板上の接点を接触させる方式が採用されています。

長年の使用により、ボタンの裏側にあるゴムの導電部分が摩耗してなくなっていたり、基板側の接点が酸化して黒ずんでしまったりすることで、いくらボタンを強く押しても電気が流れない(ON信号が送られない)という状態になります。

この症状の特徴は、「充電ケーブルを挿すとオレンジ色の充電ランプは正常に点灯するのに、電源ボタンを押しても完全な無反応」であることです。

もしヒューズ(特にF2ヒューズ)が切れている場合、バッテリーからの電力がメイン回路に供給されないため、充電ランプがつかなかったり、一瞬ついて消えたりといった「電気的な異常」が見られることが多いです。

しかし、充電はスムーズに行われ、満充電の緑ランプにもなるのに、電源ボタンだけが効かない場合は、ヒューズではなくスイッチ周辺の物理的な接触不良である可能性が極めて高いと言えます。

豆知識:接点復活剤の注意点
スイッチの反応が悪い時、スプレー式の「接点復活剤」を使いたくなりますが、初代DSのプラスチック筐体にかかると割れてしまうリスクがある溶剤も存在します。

使用する際は、必ずプラスチック対応のものを選び、綿棒などでピンポイントに塗布するようにしましょう。

このように、「充電はできるけど起動しない」という症状は、ヒューズ故障の線よりも、まずはスイッチ自体の寿命や汚れ、あるいはバッテリーからの電力供給ラインにあるF2ヒューズ以外の要素を疑うべき重要な判断材料になります。

初代DSの電源が入らない時のチェック点

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では、具体的にLEDランプがどのような反応を示したときに、どこのヒューズが怪しいのか。分解する前の診断は、まるで探偵のような推理作業です。

DSの電源系統には大きく分けて「充電回路(入力側)」と「バッテリー回路(出力側)」の2つがあり、それぞれをF1ヒューズとF2ヒューズが守っています。

以下の表は、私が調べた限りで最も一般的な症状と故障箇所の対応表です。

まずはこれを参考に、手元のDSがどのパターンに当てはまるかチェックしてみてください。

症状ランプの挙動推測される原因と解説
完全沈黙充電ランプも電源ランプも一切つかない。うんともすんとも言わない。F1とF2両方の溶断 / バッテリー完全死
非常に深刻な状態です。過電流が充電側から入り、バッテリー側まで突き抜けた可能性があります。まずはバッテリー交換を試し、ダメなら両方のヒューズを疑います。
充電不可充電ケーブルを挿してもオレンジランプがつかない。電源は入る(バッテリーに残量があれば)。F1ヒューズ(充電側)切れ / EM10断線 / 充電ポート破損
ACアダプタからの入り口が遮断されています。充電ポートのピンが曲がっていないかも要確認です。
一瞬点灯充電ケーブルを挿すと、オレンジランプが一瞬(0.5秒ほど)ついてすぐ消える。F1ヒューズ切れ(典型的な症状)
充電管理ICが「電流を流そうとしたけど回路が切れている」と検知して給電をストップしている状態です。最もわかりやすいヒューズ切れのサインです。
起動不可充電は正常にできる(オレンジ点灯→消灯)が、電源ボタンを押しても無反応。F2ヒューズ(バッテリー側)切れ / 電源スイッチ故障
バッテリーまでは電気が行っていますが、そこからメイン基板への道がF2ヒューズで遮断されているか、スイッチが壊れています。

このように、ランプの光り方が「どこが悪いのか」を教えてくれる重要なサインになります。

特に「充電器を挿すと一瞬だけオレンジに光って消える」というのは、ヒューズ関連のトラブルで最もよく見る挙動であり、「F1ヒューズ」が切れている可能性が濃厚です。

逆に、充電が全く反応しない場合は、ヒューズの手前にある充電コネクタ自体が物理的に壊れている可能性も視野に入れる必要があります。

DSの電源入らない青ランプはつく原因

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ヒューズ故障と最も混同されやすいのが、この「一瞬青(緑)ランプがつく」現象です。

具体的な症状としては、電源スイッチを入れると一瞬だけ電源ランプが点灯し、画面が一瞬白く光るか、あるいは真っ暗なままで、すぐに「プツッ」という小さな音とともに電源が落ちてしまう状態です。

結論から言うと、この症状が出ている場合、ヒューズは切れていない(正常である)可能性が高いです。

なぜなら、電源ランプが一瞬でもつくということは、バッテリーからメイン基板への電力供給ライン(F2ヒューズを経由するルート)は生きているからです。

では何が原因なのか?

これはDSの起動時の自己診断機能(POST: Power On Self Test)が働いた結果の強制シャットダウンです。

DSは電源投入直後に「上画面」「下画面」「BIOS(ファームウェア)」などの主要パーツが正しく接続されているかチェックします。

ここでどれか一つでも応答がないと、安全のために電源を落とす仕組みになっています。

豆知識:通称「一瞬光って消える」現象(Flash of Death)
DSLiteで最も多い故障の一つです。

原因の9割は、上画面へ繋がるフレキシブルケーブルの断線です。

ヒンジの開閉による金属疲労で内部配線が切れてしまい、システムが「上画面が見つからない!」と判断して電源を落とします。

この場合、ヒューズを交換しても直らず、難易度の高い液晶交換修理が必要になります。

また、DSLiteやDSiでは、Wi-Fiボードの中に起動に必要なBIOSデータ(ファームウェアの一部)が格納されています。

落下などの衝撃でこのWi-Fiボードが微妙に外れかかっているだけでも、同様に一瞬で電源が落ちる症状が出ます。

ヒューズを疑ってハンダごてを握る前に、この「一瞬青ランプがつくかつかないか」を見極めるのが、無駄な作業や修理ミスを避けるための最大のコツと言えるでしょう。

初代DSが充電できないトラブルの診断

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初代DSやDSLiteで「充電ができない」というトラブルに直面したとき、真っ先に確認してほしいのが充電ポート(差込口)の内部状態です。

明るい場所で、ルーペやスマホのライトを使ってポートの中を覗き込んでみてください。

中の金属ピンが変な方向に曲がっていたり、隣のピンとくっついていたり、あるいはホコリの塊が詰まっていたりしませんか?

実は、DSのヒューズ(特にF1)が切れる原因の多くは、この充電端子のショートにあります。

充電ケーブルを挿したまま本体を落としてしまったり、コネクタの向きを間違えて無理やり押し込んだりすることで、ポート内部のプラス極とマイナス極(またはグランド)が接触してしまいます。

この状態でACアダプタをコンセントに繋ぐと、定格を遥かに超える大電流が一気に流れ込み、回路を守るためにF1ヒューズが「バチッ」と飛んでしまうのです。

また、100円ショップやネット通販で売られている極端に安価な非純正のUSB充電ケーブルやACアダプタも要注意です。

これらは電圧の制御が甘かったり、ノイズが多かったりすることがあり、使い続けることでヒューズやEM10フィルターにダメージを蓄積させることがあります。

注意
もし充電ポートがグラグラしていたり、ピンが曲がってショートしているように見える場合は、絶対に充電器を挿さないでください。

その状態で通電すると、まだ生きているかもしれないヒューズにトドメを刺すだけでなく、基板の回路パターンを焼き切って修復不可能にしてしまう恐れがあります。

「ヒューズ交換」というとヒューズだけに目が行きがちですが、このように「なぜヒューズが切れたのか?」という根本原因(犯人)である充電ポートの破損を見逃すと、せっかく苦労して新しいヒューズをつけても、充電した瞬間にまた切れてしまうという悲劇が繰り返されます。

ニンテンドーDSのヒューズ交換と修理手順

ここからは、実際に診断の結果「ヒューズが切れている可能性が高い」と判断した場合の、少しディープで専門的な修理知識について解説していきます。

ここからの作業は、本体の分解を伴うためメーカー保証はもちろん対象外ですし、すでに公式修理サポートも終了しています。

完全に「自己責任」の世界ですが、ブラックボックスだったゲーム機の仕組みを知るだけでも面白いですよ。

修理には、任天堂製品特有の「Y字ドライバー」が必須です。

また、ヒューズは非常に小さな表面実装部品(SMD)なので、温度調整機能付きのハンダごて、細いハンダ、フラックス、ピンセット、そして何より「手先の器用さ」が必要になります。

ちなみに、ニンテンドーDSシリーズの修理受付終了に関する正確な情報は、必ず任天堂の公式サイトで確認するようにしてください。(出典:任天堂株式会社『修理の受付が終了した商品』

  • 初代DSのヒューズの場所と仕様
  • DSliteのヒューズの特徴と配置
  • DSiおよびDSiLLのヒューズ位置
  • EM10フィルター故障の可能性
  • 交換用ヒューズの選定とブリッジの危険
  • ニンテンドーDSのヒューズ修理のまとめ


初代DSのヒューズの場所と仕様

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まずは初代DS(NTR-001)の基板を見てみましょう。

初代DSは筐体が大きい分、基板上の部品配置も比較的ゆったりしており、電子工作初心者でも特定しやすいのが特徴です。

ヒューズはメイン基板上に2つ存在し、それぞれ基板上のシルク印刷(白い文字)で「F1」「F2」と明確に記されています。

  • F1ヒューズ(充電保護):充電端子や、アドバンス用ソフトを挿すスロット、外部拡張端子の近くに配置されています。ACアダプタからの過電流を防ぐ役割です。

  • F2ヒューズ(バッテリー保護):バッテリー端子の裏側付近に配置されています。バッテリーからの電流異常や、バッテリー逆接時の保護を担っています。

このヒューズに使われているのは、EIA規格で「0603」と呼ばれるサイズのチップヒューズです。

メートル法で言うと「1608サイズ」、つまり長さ1.6mm × 幅0.8mmという極小サイズです。

米粒よりも遥かに小さく、肉眼で見ると「基板に張り付いた小さなゴミ」にしか見えないかもしれません。

中には緑色や黒色のボディに「E」や「F」といった文字が刻印されているものもありますが、これを交換するには、スタンドルーペや実体顕微鏡がないと作業はかなり厳しいレベルになります。

DSliteのヒューズの特徴と配置

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世界で最も普及し、現在でも中古市場で人気の高いDSLite(USG-001)ですが、基本的な保護回路の構成は初代DSと同じです。

しかし、小型化された基板に部品が密集しているため、ヒューズを見つける難易度は少し上がっています。

F1ヒューズは、充電コネクタ(ACアダプタ差込口)のすぐ裏側あたりを探してください。

「EM10」と書かれた黒い4本足のコイル部品(コモンモードフィルタ)のすぐ隣に配置されていることが多いです。このEM10とF1はセットで充電回路を守っています。

一方でF2ヒューズは少し厄介です。

バッテリー端子の裏側付近にあることが多いですが、DSカードスロットの金属カバーの近くや、電源スイッチの近くなど、基板の製造時期(リビジョン)によって微妙に位置が異なる場合があります。

「F2」という白い文字を探すのが一番確実ですが、配線パターンを追わないと見つけにくいこともあります。

テスター(マルチメーター)を持っている方は、分解した状態でこのヒューズの両端にプローブを当てて「導通チェック(抵抗値測定)」をしてみましょう。

正常なら抵抗値はほぼ0オームで「ピー」と電子音が鳴ります。

もし無音で、抵抗値が無限大(OL)を示したら…残念ながらそのヒューズは切れています。

DSiおよびDSiLLのヒューズ位置

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DSi(TWL-001)やDSiLL(UTL-001)の世代になると、内部構造が劇的に進化し、少し複雑になります。

最大の違いは、基板が分割されたことです。

メイン基板とは別に、バッテリーが収まる部分の下に独立した「電源基板(サブ基板 / バッテリーボード)」が存在するモデルが多いのです。

DSi系のポイント
F1ヒューズ(入力側)は、多くの場合この独立した「電源サブ基板」の方に実装されています。

メイン基板だけをどれだけ探しても見つからないことがあるので注意が必要です。

バッテリーからの電力はまずこのサブ基板に入り、そこからリボンケーブルやコネクタを経由してメイン基板へ送られます。

また、DSiLL特有のトラブルとして、この「電源サブ基板」と「メイン基板」を繋ぐコネクタの接触不良があります。

落下などの衝撃でコネクタが微妙に浮いてしまったり、酸化して接触が悪くなったりするだけで、電源が入らなくなることがあります。

ヒューズ切れを疑う前に、このコネクタを一度外して、無水エタノールなどで清掃してからしっかりと差し直す(リシートする)だけで、あっさり直ってしまうケースも少なくありません。

DSi系の分解はケーブル類が多く難易度が高いですが、まずはコネクタの確認から始めることを強くお勧めします。

EM10フィルター故障の可能性

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「テスターで測ってもヒューズ(F1)は切れていない。

導通もある。

なのに、どうしても充電ランプがつかないし充電できない!」

そんな時に疑うべき隠れた犯人が、先ほども少し名前が出た「EM10」という部品です。

これはコモンモードチョークコイルと呼ばれるノイズ除去フィルターなのですが、F1ヒューズの直前(または直後)のラインに入っています。

実は、強烈なサージ電流が流れた際、ヒューズが切れるよりも先に、このコイルの内部配線が焼き切れてしまうという事例が多々あるのです。

見た目は4本足の小さな黒いチップ部品ですが、内部は2本の線がコイル状になっています。

テスターで縦方向(または横方向、部品の仕様による)の導通を確認する必要があります。

もしここが断線していると、いくらヒューズが元気でも電気は通りません。

正しい修理法はもちろん「良品のEM10コイルへの交換」ですが、この部品の入手はヒューズよりも困難です。

あくまで自己責任の応急処置として、ノイズ除去機能は失われますが、断線したラインをジャンパー線でバイパス(直結)して充電機能を復活させるという荒技も、レトロゲーム修理界隈では知られています(もちろん推奨はしませんが、原因特定のための検証としては有効です)。

交換用ヒューズの選定とブリッジの危険

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もし自分で修理に挑戦する場合、交換するヒューズの部品選びは非常に重要です。

サイズが合わないと基板のパッドに乗りませんし、定格電流が違うと保護機能が働かなかったり、逆にすぐに切れてしまったりします。

正しいヒューズのスペック

ニンテンドーDSシリーズの修理で一般的に使用されるヒューズの仕様は以下の通りです。

  • サイズ:0603(インチ表記) / 1608(メートル表記)
    ※長さ1.6mm × 幅0.8mm。これ以外のサイズはパッドに適合しないため実装が困難です。

  • 定格電流:0.5A(500mA)
    ※純正と同等のスペックです。

  • 特性:速断型(Fast-Acting / Fast-Blow)
    ※異常電流が流れた瞬間に切れるタイプです。「タイムラグ(遅延)型」は使用してはいけません。

修理コミュニティの一部では、再発防止のために「1.0A」のヒューズを使うという改造手法が議論されることがあります。

「0.5Aだとギリギリすぎて、通常使用の負荷でも劣化して切れやすいから、余裕を持たせて1.0Aにする」という理屈です。

確かに1.0Aにすれば切れにくくはなりますが、それは同時に「保護の感度を下げる」ことを意味します。

本来なら0.5Aの異常電流で遮断して守るべき回路に、倍の1.0Aまで流れることを許容してしまうわけです。

万が一のショート時に、ヒューズが切れる前に基板上の細い銅箔パターンや、デリケートな電源ICが焼損するリスクが跳ね上がります。

私としては、安全性を最優先して純正と同じ0.5A(または0.75A程度まで)のヒューズを使用することを強く推奨します。

禁断の「ブリッジ修理」について

インターネット上の動画や掲示板で、新しいヒューズを使わず、ハンダの塊や細いワイヤーでヒューズの端子間を直結してしまう「ブリッジ(短絡)」という手法を見かけることがあります。

「どうせまた切れるなら直結すればいい」「部品代がかからない」という理由で行われているようですが、これは電子工作において最もやってはいけない危険行為の一つです。

ブリッジの何が危険なのか?

ヒューズをブリッジすることは、「家のブレーカーを針金で固定して落ちないようにする」のと同じです。

もし次回、充電器の故障やポートの変形で再び過電流が流れたらどうなるでしょうか?遮断するヒューズがないため、電流は流れ続けます。

その結果、バッテリーが異常発熱して発火したり、基板から煙が出たり、メインCPUに高電圧がかかって本体が完全に「即死」したりします。

実際に、ブリッジ修理されたDSが、粗悪な充電器を繋いだ瞬間に「ボンッ」という音と共に煙を吹き、二度と起動しなくなった事例を私はいくつも見てきました。

一時の手軽さのために、愛機を燃やすリスクを背負うのは割に合いません。

動作確認のために一瞬だけピンセットでショートさせて通電チェックをする程度なら構いませんが、恒久的な修理としては必ず「正規のヒューズ」への交換を行ってください。

ニンテンドーDSのヒューズ修理のまとめ

ここまで、ニンテンドーDSシリーズにおける「電源が入らない」トラブルの原因と、ヒューズ故障の診断・修理について深掘りしてきました。

最後に重要なポイントを振り返っておきましょう。

記事のまとめ

  • 「電源が入らない」=「完全に故障」とは限らない。まずはLEDランプの点滅パターンを観察して診断する。

  • 「一瞬オレンジランプがつく」はF1ヒューズ切れのサイン。「一瞬青ランプがつく」はヒューズではなく画面やケーブルの破損を疑う。

  • ヒューズが切れた原因(充電ポートの破損など)を突き止めてから交換しないと、新しいヒューズもすぐに切れてしまう。

  • 絶対に「ブリッジ修理」はしない。数百円のヒューズをケチることで、火災や完全破壊のリスクを負うべきではない。

ニンテンドーDSシリーズは発売から長い年月が経過し、メーカー修理も終了してしまいましたが、その魅力的なゲームライブラリは今でも色褪せません。

「ヒューズ切れ」というトラブルは、適切な知識と道具があれば十分に修復可能な故障です。

それは単なる部品交換ではなく、思い出の詰まったゲーム機を、廃棄の運命から救い出すレスキュー作業でもあります。

もちろん、微細なチップ部品のハンダ付けは、初めての方にはハードルが高いかもしれません。

しかし、焦らず丁寧に診断し、正しい手順で修理を行えば、あの懐かしい起動音とともに再び画面が点灯したときの感動はひとしおです。

もし手元に眠っている動かないDSがあるなら、まずは「診断」から始めてみてはいかがでしょうか。

※本記事は技術的な情報の提供を目的としており、分解や修理を推奨するものではありません。

分解を行うとメーカーサポートが受けられなくなるほか、感電や発火のリスクがあります。

作業は自己責任で行ってください。

また、廃棄する際はリチウムイオンバッテリーを取り外し、各自治体の指示に従って適切にリサイクルしてください。(出典:環境省『リチウムイオン電池関係

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